WordPressの更新を放置すると起きることと、運用の最低ライン

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久しぶりに管理画面を開いたら、更新を知らせる数字が二桁になっている。押せば終わるのは分かっているけれど、前に一度、更新したらレイアウトが崩れたことがある。誰も困っていないうちは触らないでおこう——そう考えて画面を閉じた経験は、兼任のWeb担当者なら珍しくないはずです。

更新を放置することの怖さは、すぐには何も起きない点にあります。問題が表面化したときには、選べる手段が減っているのが普通です。

放置すると何が積み上がるのか

更新を止めたサイトでは、次の三つが同時に進みます。

  • 公開済みの不具合が直らないまま残る。修正版が出ている問題ほど、外部から狙われやすくなります。
  • バージョンの差が開き、一度に上げられなくなる。本体・テーマ・プラグインは互いの動作環境を前提にしているため、片方だけ大きく離れると噛み合わなくなります。
  • 頼れる人がいなくなる。古い構成のままだと、制作会社に相談しても「まず環境をそろえてから」という話になり、作業が一段増えます。

実際に困るのは、問い合わせフォームが急に送信できなくなった、決まったブラウザだけ表示が崩れた、といった形で現れることが多いです。原因を追いかけると、長く更新していなかった部分にたどり着きます。

放置してしまった状態からの立て直し

すでに数十件たまっている場合、いきなり全部を押すのは避けます。順番は次のとおりです。

  1. バックアップを取る。ファイルとデータベースの両方で、戻す手順まで確認しておきます。
  2. 本番とは別に、同じ構成の確認用環境を用意する。契約しているサーバーに複製機能があれば、それで十分です。
  3. 確認用環境で、本体より先に周辺を整える。テーマとプラグインを上げてから本体を上げる順のほうが、不具合の切り分けが楽になります。
  4. 一度に上げるのは数件までにする。上げたら、トップ・主要な下層・問い合わせフォーム・スマートフォン表示を毎回見ます。
  5. 問題がなければ本番で同じ手順を繰り返す。

使っていないテーマやプラグインは、この機会に停止して削除します。動いていないものでも、置いてあるだけで管理の対象になります。

途中で表示が崩れたら、直前に上げたものまで戻し、そこで一度立ち止まります。崩れた原因が特定できないまま次へ進むと、後からどこで壊れたのかが分からなくなります。すでに手が入らなくなっている機能が原因なら、同じ役割の別のもので置き換えるか、その機能自体をやめるかという判断が必要になります。ここは無理に自力で押し切らず、外部に相談してよい場面です。

更新前に決めておく確認リスト

毎回どこを見るかを決めておかないと、確認が気分次第になります。項目は多くしすぎず、五つ前後に絞ります。

  • トップページの表示崩れ
  • 問い合わせフォームの送信と、届いたかどうか
  • 記事一覧と個別記事の表示
  • スマートフォンでの表示
  • 管理画面でエラーが出ていないか

フォームは、送信できたように見えて届いていないことがあるため、実際に受信を確認します。この一手間を省くと、気づくのが数週間後になりかねません。会員向けのページや予約の仕組みなど、ログインが必要な機能を持っているサイトなら、ログインした状態での表示も項目に加えます。

確認は作業者とは別の人が見るほうが精度は上がりますが、人手が足りないなら、更新の翌営業日にもう一度同じ項目を見る形でも構いません。時間をおくと、直後には気づかなかった崩れに気づくことがあります。

兼任でも続く運用の最低ライン

理想を高くすると続きません。最低ラインは、次の三つで足ります。

  • 月に一度、時間を決めて更新の日を作る。アクセスの少ない時間帯にします。
  • 更新前のバックアップを必ず取る。自動取得の設定があっても、手元でも取ります。
  • 上げた日と対象、確認した項目を1行ずつ記録する。不具合が出たとき、戻す範囲がすぐに決まります。

急ぎの対応が必要になるのは、深刻な不具合の修正が公開されたときです。その情報を受け取れるよう、管理画面の通知が届くメールアドレスを、実際に見ている宛先に設定しておきます。担当者が異動した後も届くよう、個人宛ではなく共有の宛先にしておくと安全です。

まとめ

更新は、まとめてやろうとするほど重くなり、放置するほど選択肢が減っていきます。今日できることを1つ挙げるなら、管理画面の通知メールの宛先を開き、今も読んでいる共有アドレスになっているかを確認してください。届いていない通知は、存在しないのと同じです。

IRS WEBスタジオでは、WordPressの更新作業と保守運用を承っています。手順書づくりや確認項目の整理からご相談いただけます。