LINE公式アカウントの問い合わせを減らす「入力させない」設計

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自動応答を設定したのに、友だちから「返信が来ない」と言われる。管理画面を開いて応答設定を確かめても、オフにした覚えはない。自分の端末からテストを送れば、きちんと返ってくる。

この手の相談で多いのは、設定が壊れているケースではなく、届いた言葉が登録したキーワードとそろっていないケースです。キーワード応答の一致判定はかなり厳しく、「営業時間」で登録していても、「営業時間は?」「営業時間教えてください」は別の文字列として扱われます。句読点や記号の有無まで効いてくるので、人が打つ言葉の幅を想像しながら登録語を増やしていくと、いつまでも終わりません。

表記ゆれを追いかけるより、打たせない

登録語を増やす方向は、途中で必ず行き詰まります。十語登録すれば十一語目が来る。しかも増やすほど、どの語がどの回答につながっているのか、運用する側が把握できなくなる。

発想を逆にして、ユーザーに文字を打たせない導線を作るほうが早いです。リッチメニューの各区画のアクションに「テキスト送信」を設定し、そこで送られる文言を、応答メッセージのキーワードとまったく同じ文字列にしておく。タップすれば決まった文言が送信されるので、一致しないという事態が起きません。

このときのコツは、区画の名前を「よくある質問」のような大きな括りにしないこと。「営業時間・定休日」「注文のキャンセル」「配送状況を知りたい」のように、返す答えが一つに決まる粒度まで割ります。答えが複数に分岐する名前をつけると、結局そこから自由入力が始まってしまうためです。

回答文の末尾にも、次の行き先を残しておきます。「別の質問に戻る場合は、下のメニューからお選びください」の一文があるだけで、会話が行き止まりになりません。

自動で返さないものを、先に決める

自動化の設計というと、どこまで自動で返せるかを考えがちですが、先に決めておきたいのは逆側です。人が対応すると決める問い合わせを、運用を始める前に書き出しておく。

目安になるのは、契約内容の変更、例外的な対応の可否、クレーム、本人確認が必要なもの。この四つは、自動で返すと相手の不信感が増え、結局あとから人が長い説明を書くことになります。

人に渡す場合の文面も、あらかじめ用意しておくと楽です。「担当者からご案内しますので、ご注文番号とご希望日をお送りください」というように、こちらが知りたい情報を渡すタイミングで聞いてしまう。最初のやり取りで材料がそろっていれば、返信は一往復で済みます。

営業時間外の扱いも、線を引いておきたいところ。応答時間の機能を使えば、チャットを使いながら、時間外だけ自動応答に任せる運用にできます。深夜の通知を見て反射的に返してしまう状態が続くと、担当者が疲れるだけでなく、「夜でも返信が来る」という期待値まで育ってしまいます。

設定したまま古くなるのを防ぐ

兼任で運用していると、設定した直後がいちばん整っていて、あとは少しずつずれていきます。防ぐには、見直す単位を決めておくのが現実的です。

  • 月に一度、チャットの履歴を通しで読み、人が対応したやり取りだけ拾う
  • 同じ説明を三回以上書いていたら、その文面を応答メッセージの候補にする
  • 価格や営業日、サービス内容を変えたとき、直すべきメニュー名と応答文の一覧を手元に持っておく

三つ目は地味ですが、効きます。変更のたびに管理画面を探し回る状態だと、どこかが必ず古いまま残る。メニューの区画名、送信される文言、登録キーワード、回答本文を一枚の表にしておけば、更新箇所を五分で洗い出せます。

なお、自動応答のやり取りにかかる費用は、一斉配信の扱いとは別に考えられています。詳しい区分は契約中のプランの説明で確かめられるので、配信コストの話と問い合わせ対応の話は分けて検討したほうが、判断を誤りません。

まとめ

手をつけるなら、リッチメニューの各区画が送信する文言と、登録済みキーワードの一覧を並べて突き合わせるところから。ここが一文字でもずれていれば、そのボタンは押しても何も返さないボタンです。表にして見比べるだけで、直すべき箇所がその場で見えます。

IRS WEBスタジオでは、LINE公式アカウントの応答シナリオ設計や、FAQ・マニュアルの原稿作成をお手伝いしています。回答文の整理や導線の組み立てで手が止まっている場合は、お気軽にご相談ください。