ホームページ制作を外注する前に、社内で決めておくべきこと

見積もりを三社から取ったところ、金額が大きく違いました。安いところは何が含まれていないのかが読み取れず、高いところは何が増えているのかを説明で読んでも判断できません。社内で相談しても、「今風のデザインになればいい」「問い合わせが増えればいい」と人によって言うことが違います。比べる材料がないまま、なんとなく真ん中の一社に決めてしまいそうになります。
金額を比べられないのは、条件が揃っていないからです
三社の見積もりが比べられないとき、原因は制作会社側ではなく、渡した条件の側にあることがほとんどです。条件が曖昧だと、各社は自社の標準的な進め方で空白を埋めます。ページ数の想定も、原稿を誰が書くかの前提も、公開後にどこまで面倒を見るかの範囲も、それぞれ違ったまま金額だけが並びます。
逆に言えば、社内で決められることを先に決めておけば、同じ条件で比べられるようになります。決めておきたいことは、大きく四つです。
誰に何をしてほしいサイトかを一行にします
「会社の顔として恥ずかしくないもの」は目的になりません。次の形に落とします。
「どんな立場の人が、どんな状況でこのサイトを見て、何をする状態にしたいか」
たとえば「取引先から紹介された担当者が、発注前に会社を確認するために見て、問い合わせフォームから連絡する」といった形です。ここが決まると、必要なページも、載せる情報の順番も決まります。制作側からの提案も、この一行があるかないかで精度が変わります。
目的が複数出てきたら、順位をつけます。採用と受注では、見せる内容も導線も変わります。両方を入れること自体はできますが、どちらを優先するかが決まっていないと、制作の途中で要望がぶつかります。
原稿と写真を誰が用意するかを決めます
制作が止まる原因で多いのは、デザインでも技術でもなく、原稿と写真です。次の点を先に割り振ります。
- 原稿を社内で書くのか、取材して書いてもらうのか。社内で書くなら、誰が何ページ分を、いつまでに書くかまで決めます。
- 会社概要や沿革など、既存の資料から流用できるものを先に集めておきます。
- 写真が手元のもので足りるかを確認します。足りない場合、撮影を依頼するのか、素材を購入するのかを決めます。人が写る写真は、本人や取引先への確認に時間がかかることがあります。
- 図やイラストが必要なページを挙げておきます。
この項目は金額に大きく影響します。「原稿は社内で用意します」と伝えたのに書けなかった、という流れが、最も期間と費用を押し上げます。書ける見込みが薄いなら、最初からそう伝えるほうが結果的に落ち着きます。
公開後に誰がどこまで触るかを決めます
公開して終わりではありません。次の点を先に決めておくと、あとで困りにくくなります。
- お知らせやブログを自社で更新するか。する場合、誰が、どのくらいの間隔で行うかを想定します。更新する人が決まっていないなら、更新機能を付けない選択もあります。
- 文章や写真の差し替えを自社で行うか、依頼するか。依頼する場合の窓口と、費用の考え方を確認しておきます。
- ドメインやサーバーの契約を誰の名義で持つか。社内に管理者を置き、契約情報の保管場所を決めます。ここが曖昧だと、担当者が変わったときに手が出せなくなります。
- 問い合わせの通知をどのアドレスで受け、誰が一次対応するかを決めます。
決める人と返答の期限を先に決めます
社内の意見が割れたまま進むと、修正のやり取りが増え、期間も費用も膨らみます。最終的に決める人を一人に決めて、確認の段階を三つ程度に絞ります。構成の確認、デザインの確認、公開前の確認、といった区切りです。
各段階で、誰が何日以内に返答するかを先に合意しておきます。社内の確認待ちで止まった期間は、そのまま公開の遅れになります。要望は各自が個別に伝えるのではなく、窓口の担当者が一度集めてからまとめて渡すと、行き違いが減ります。
まとめ
外注前に決めておきたいのは、目的の一行、原稿と写真の担当、公開後の運用と権限、決める人と期限の四つです。ここが揃うと、見積もりを同じ条件で比べられるようになり、制作中の手戻りも減ります。今日できることとして、「誰が、どんな状況で見て、何をする状態にしたいか」を一行だけ書いてみてください。書けない部分が、社内でまだ決まっていない部分です。
IRS WEBスタジオでは、Webサイトの制作に加えて、外注前の要件整理や公開後の運用設計からのご相談を承っています。まだ決めきれていない段階でもお声がけいただけます。