会社案内をWebに載せるときに書くべきこと。紙の丸写しで終わらせない

印刷会社に作ってもらった会社案内のPDFがあるので、とりあえずそれをWebにも載せておこう。そう考えて会社概要ページを作ったものの、書かれているのは社名と住所と資本金と、抽象的な理念の文章だけ。問い合わせフォームから来るのは営業メールばかりで、肝心の「この会社に頼めそうか」を判断したい相手には、何も届いていない気がする。
会社案内の紙とWebでは、読み手の状況がまるで違います。紙を手に取る人はすでに会っている相手ですが、Webを見る人はまだ会っていません。同じ内容を移すだけでは足りない理由はここにあります。
読み手が誰で、何を確かめに来たかを先に決める
会社概要ページを見に来る人は、だいたい次のどれかです。
- 発注を検討している見込み客が、取引しても大丈夫な相手かを確かめに来ている
- 既存の取引先の担当者が、請求書に書く正式名称や所在地を調べに来ている
- 応募を考えている求職者が、どんな会社かを知りに来ている
- 金融機関や審査部門が、事業実態を裏付ける情報を探しに来ている
この四者は知りたいことが違います。見込み客は「何ができる会社か」と「実際に動いている会社か」を見ますが、求職者は「どんな人が働いているか」を見ます。全員に応えようとすると、どの情報も薄くなります。
まず自分のサイトで最も多い訪問者を決めてください。判断材料はアクセス解析の流入元と、問い合わせの内容です。問い合わせの大半が発注相談なら見込み客向けに作ります。求人経由の流入が多いなら、働く人の情報を厚くします。どちらか分からない段階なら、見込み客を優先して構いません。
必ず載せる項目と、判断して載せる項目を分ける
迷う原因は、項目を一列に並べて考えているからです。二つに分けます。
必ず載せる項目は、事業実態を示す最低限のものです。
- 正式な社名(屋号)と読みがな
- 所在地
- 代表者名
- 事業内容
- 連絡先
これらが揃っていないと、相手は調べようがありません。特に事業内容が「各種コンサルティング業務」のような一行だけだと、判断材料になりません。
判断して載せる項目は、書いたほうが有利かを考えて決めます。設立年、従業員数、資本金、取引銀行、主要取引先などです。たとえば従業員数が少ない場合、それを伏せるより「少人数で担当が最後まで見る体制」と書いたほうが伝わることがあります。数字そのものより、その数字が相手にとって何を意味するかを添えるかどうかで判断してください。
取引先の実名を載せる場合は、先方の許諾が要ります。口頭でも確認を取り、いつ誰に確認したかを記録しておくと、担当が替わったときに困りません。
事業内容は「何ができるか」を動詞で書く
事業内容の欄が最も読まれ、最も中身がないことが多い場所です。業種名を並べるのではなく、受けられる仕事を動詞で書きます。
書き換えの手順はこうです。
- 直近で実際に受注した仕事を、思いつく限り箇条書きにする
- それぞれについて「何を渡され、何をして、何を納めたか」を一行で書く
- 似たものをまとめ、3〜5つの塊にする
- 各塊に、相手が検索しそうな言葉で見出しをつける
この手順を踏むと、自分でも整理できていなかった守備範囲が見えます。「システム開発」と書いていたものが、実際は「既存の業務フローを聞き取って、手作業を減らす仕組みを作る」だったと分かることもあります。後者のほうが、同じ悩みを持つ相手には届きます。
逆に、できない仕事や受けていない仕事も、短く書いておくと問い合わせの精度が上がります。断る手間が減ります。
沿革は出来事ではなく、変化の理由を書く
沿革を年表で並べると、どうしても年号が並ぶだけになります。読み手が知りたいのは、いつ何があったかではなく、この会社がどういう考えで今の形になったかです。
年表形式を残すなら、区切りになった出来事だけに一行の補足をつけます。事務所を移したなら、なぜ移したのか。扱う仕事を変えたなら、何がきっかけだったのか。補足がつくのは全体の三割程度で十分です。
創業して間もない場合、沿革を無理に作る必要はありません。代わりに、なぜこの事業を始めたかを数段落で書いたほうが、読み手の記憶に残ります。
更新が止まらない構成にしておく
会社概要ページが古いままになる原因は、更新に手間がかかる作りになっていることです。次の点を先に決めておきます。
- 変わりやすい情報(従業員数、実績件数など)と、変わりにくい情報(所在地、事業内容)を同じ段落に混ぜない
- 数字を書くときは、どの時点の数字かが分かる書き方にするか、そもそも概数で書く
- 画像の中に文字情報を入れない。差し替えが面倒になる
- 更新を誰がいつ見直すかを決め、カレンダーに入れておく
見直しの頻度は年に一度か二度で足ります。決めていないと、何年も放置されます。
まとめ
会社案内をWebに載せるときは、紙をそのまま移すのではなく、読み手が何を確かめに来たかから逆算して項目を決めます。事業内容は業種名ではなく動詞で書き、沿革は出来事より理由を書く。この二つだけでも、ページの伝わり方は変わります。
今日できることは、事業内容の欄を開いて、直近で実際に受けた仕事を五つ書き出すことです。そこから「何を渡され、何をして、何を納めたか」を一行ずつ足せば、書き換えの材料が揃います。
IRS WEBスタジオでは、Webサイトの制作とコンテンツの整理を承っています。会社概要ページに何を載せるかの洗い出しからご相談いただけます。