英語ページを作る前に決めたい、URL設計と問い合わせ対応の型

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海外向けのページを作りたい、という相談は、たいてい翻訳の見積もりから始まります。会社概要とサービス紹介、それに事例を数ページ。原稿の文字数に単価を掛ければ金額は出ます。ただ、その計算に入っていないものが二つあるんです。公開した翌日から日本語と英語を並行して更新し続ける手間と、英語で届いた最初の一通に誰がどう返すか、という段取り。

あとから直すのが高くつくのは、実は翻訳の精度ではありません。URLの置き方と、英語にする範囲の線引き。どちらも着手前の打ち合わせ一回で決められます。

日本語をどこに置くか、から決める

多言語化の情報はサブディレクトリとサブドメインの比較で埋まっていますが、先に決めたいのは英語の置き場所ではなく、日本語の置き場所です。

日本語をルート(/)に残したまま英語を /en/ に足す構成は、当面はいちばん安く済みます。問題は先のこと。中国語や韓国語を足したときに日本語だけが浅い階層の特別扱いで残り、言語切り替えの導線もサイトマップもリダイレクトの規則も例外だらけになります。最初から /ja/ と /en/ に並べ、ルートは言語選択か既定言語へ渡すだけにしておけば、三言語目からは同じ作業の繰り返しで済む。

判断の目安はこう置いています。英語版だけで当面いく予定で、既存の日本語URLに広告のリンク先や被リンクが積み上がっているなら、日本語はルートのままで /en/ を足す。二言語以上増やす計画があるなら、日本語ごと /ja/ に移してリダイレクトを張る。移す作業は、ページが少ないうちほど安く終わります。

同時に決めておきたいのが、切り替えの仕組みです。アクセス元の国や設定言語を推測して自動で飛ばす実装は避けてください。日本にいる海外の方が日本語版に固定されたり、検索エンジンが英語版にたどり着けなかったりします。ヘッダーに English / 日本語 の明示的なリンクを置くのが確実。?lang=en のようなパラメータで出し分ける方式も、同じ理由で選ばないほうが無難です。

英語にしないページを先に決める

全ページ翻訳は、運用が続きません。お知らせを一本出すたびに英訳の手配が発生し、半年で更新が止まる。

線引きは「海外の読み手が発注を判断するのに使うか」で引きます。サービス内容、料金の考え方、会社概要、問い合わせ、よくある質問まで。国内向けのキャンペーン、採用情報、地域のイベント告知は日本語のままで構いません。ただし英語側のナビゲーションから日本語ページへ黙って飛ばさないこと。リンクするなら「Japanese only」と添えます。

自動翻訳の扱いも、ここで決着をつけておきます。ページ上で表示だけを切り替えるタイプは、英語のHTMLページそのものが存在しない形になることがあり、その場合は英語で検索しても出てきません。集客が目的なら、英語のページが固有のURLを持つ形に。機械翻訳を下訳に使うこと自体が問題なのではなく、手を入れないまま量産したページが評価されない、という話です。

住所と電話と日付で、問い合わせを取りこぼさない

翻訳はきれいなのに連絡が来ない。原因がフッターとフォームにあることは、けっこうあります。

  • 電話番号は国番号から。先頭の0を落として +81-92-xxx-xxxx の形に
  • 住所は番地から国名の順に並べ替え、郵便番号と Japan を入れる
  • 日付は 2/3 のような数字だけの表記をやめ、月名を書く
  • 営業時間には JST(UTC+9)を併記する
  • 金額は JPY を明示。海外発送があるなら、送料と輸入時の税を誰が負担するかを決めてから価格の見せ方を決める(制度は国ごとに変わるため、実際の扱いは通関や税務の専門家に確認してください)
  • フォームの必須チェックから、日本の郵便番号形式や全角カナの制約を外す

文字と背景のコントラスト、画像の代替テキスト、見出しの階層といったアクセシビリティの要件も、国や地域によっては求められます。後から全ページ直すと高くつくので、デザインの段階で基準を決めておくほうが安く済みます。

最初の一通に誰が何日で返すか

公開後に止まる理由の多くは、英語力ではなく受け口の不在です。必要なのは流暢な会話ではなく、決まった型で返す対応。

公開前に用意するのは、よくある質問十本ぶんの英語回答と、返信テンプレートの雛形です。見積もり依頼、納期と在庫の確認、対応範囲外のお断り。この三種類があれば大半はさばけます。そのうえで、担当者を一人決め、返信の目安を「二営業日以内」のように英語ページに書く。時差があるぶん、自動返信で受領を伝えておくと問い合わせが流れません。

いちばん多い事故は、英語で届いた問い合わせに日本語の自動返信だけが返り、誰も気づかないまま数週間が過ぎること。フォームの通知先と自動返信の文面は、公開前に英語で一度テスト送信して確かめておきます。

まとめ

翻訳の見積もりを取る前に、既存サイトのURL一覧を開いてください。日本語をルートに残すか /ja/ へ移すか。その一点を決めるところから始めると、その後の判断がひととおり連鎖して決まります。

IRS WEBスタジオでは、英語ページの構成づくりや日本語原稿の見直し、日本語から英語への翻訳、FAQと返信テンプレートの作成まで承っています。どこから手をつけるか迷う段階でも、メールでご相談いただけます。