記事の構成案のつくり方|書き始める前に決めておく4つのこと

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書き出しの一段落だけを何度も書き直して、三十分が過ぎていました。方向が決まらないまま書き始めたので、一文進むたびに「この話は必要か」と迷いが入ります。結局その日は公開に至らず、翌週また白紙から書き直す。他の業務と兼任している担当者が、記事づくりで一番時間を失いやすい場面です。

手が止まる原因は、文章力ではなく、書き始める前に決めておくべきことが決まっていない点にあります。構成案は、その決定事項を先に片づけるための作業です。

見出しを並べる前に、四つのことを決める

構成案というと見出しを並べる作業だと思われがちですが、見出しはむしろ最後です。先に決めるのは次の四つで、メモ帳に数行書くだけで足ります。

  • 読者の状況:どんな場面でこの記事にたどり着くのか
  • 読後の行動:読み終えたあと、何ができるようになるのか
  • 前提知識:どこから説明が必要で、どこは省いてよいのか
  • 書かない範囲:関連するが今回は扱わないこと

四つ目を明示するのが特に効きます。書かない範囲を先に決めておかないと、執筆中に思いついた関連話題を全部入れてしまい、分量だけが増えて主旨がぼやけます。「導入後の運用体制は別記事」と一行書いておけば、迷ったときに切り捨てる判断がすぐつきます。

見出しは「読者の疑問」の順番に並べる

四つが決まったら、読者が抱く疑問を、浮かぶ順番に並べます。書き手が説明したい順番ではなく、読者が知りたくなる順番です。

たとえば業務の手順を見直す記事であれば、疑問はおおむねこう進みます。

  • そもそも見直す必要があるのか、どう判断するのか
  • どこから手をつければよいのか
  • 実際にどう進めるのか
  • 進めるときに、つまずきやすいのはどこか
  • 続けるために何を決めておくのか

この疑問をそのまま見出しの形に変えれば、構成案の骨格になります。順番が読者の思考と合っていれば、各見出しの間を強い接続の文章でつなぐ必要がなくなり、執筆そのものが速くなります。

見出しの粒度をそろえ、数を絞る

並べ終えたら、粒度を確認します。判断のしやすい条件は二つです。

  • 各見出しの下に書く分量が、おおよそ同じくらいになるか
  • 見出しだけを読んで、記事全体の流れが伝わるか

一つの見出しだけ極端に長くなりそうなら、それは二つの話が混ざっています。逆に二、三行で終わりそうな見出しは、前後のどちらかに吸収します。見出しは三つから六つに収まると、読み手が全体像を把握しやすくなります。それ以上に増えるときは、扱う範囲が広すぎるサインなので、記事を分けることを検討してください。

見出しの文言も、この段階で整えます。「重要性について」のような抽象的な言い回しは、下に何が書いてあるか想像できません。「どこから手をつけるかを決める基準」のように、読者が得られるものが分かる形に書き換えます。

各見出しの下に、書く中身を箇条書きで置く

構成案の最後の作業は、見出しごとに「そこで書くこと」を二つから四つ、箇条書きで置いておくことです。文章にする必要はありません。

  • 判断の基準になる条件
  • 実際に手を動かす順番
  • 迷いやすい箇所と、その場合の考え方

この箇条書きがあると、執筆は箇条書きを文章に展開する作業になります。何を書くか考えながら文章を組み立てる、という二重の負荷がなくなるため、途中で止まりにくくなります。また、箇条書きの段階で中身が思いつかない見出しがあれば、それは内容が薄い見出しです。執筆前に気づけば、書き直しではなく差し替えで済みます。

構成案は一度寝かせてから確定する

可能であれば、構成案を書いた日に執筆へ進まず、翌日に読み返してください。時間を置くと、自分の説明したい順番と読者の知りたい順番のずれが見えやすくなります。

読み返すときに見るのは、見出しだけです。見出しを上から読んで、読者の疑問が解けていく流れになっていれば、そのまま書き進めて問題ありません。引っかかる箇所があれば、その見出しの順番を入れ替えるか、言い回しを変えます。本文を書いたあとに構成を直すのは大きな手戻りになりますが、この段階なら数分で終わります。

まとめ

構成案は見出しを並べる作業ではなく、書き始める前に判断を終わらせておく作業です。今日できることとして、次に書く予定の記事について「この記事で書かない範囲」を一行だけメモしてください。書かないことが決まると、書くことの輪郭がはっきりします。

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